2025年03月新刊 『古里よ 世界よ−85歳になりました−』
◆◇大森 仁 五行歌集◇◆
書 名:五行歌集『古里よ 世界よ』
−85歳になりました− 著 者: 大森 仁 新書判・並製・100頁 定価880円(本体800円+税10%) 発行日:2025年3月21日 ISBN978-4-88208-220-0 装画 大森 操 |
◆◇跋文より◇◆
冒頭の線路の中の草の歌は、私にも懐かしく思われた。東京のかなり都心から遠い郊外に住んだ頃、廃線の線路を通って通ったことがあった。
線路の中に草がある
草の中に線路がある
ローカル線は
鳥たちに迎えられ
花に見送られる
住まうところののんびりした空気が穏やかである。
歌の中には、物事を静かにみつめてきた人の目を感ずる歌がある。
(五行歌の会主宰草壁焔太・跋文より抜粋)
◆◇著者プロフィール◇◆
大森 仁(おおもり・ひとし)
1939年京都府宮津市生まれ
大阪府在住
五行歌の会 会員
舞鶴五行歌の会 会員
大阪大学 白菊会 副会長
◆◇目次◇◆
はじめに
T 二つの古里 宮津と舞鶴
U 十人家族 猫もいれて
V 小さな後ろ姿
W 野鳥の学校
X まッ いいか
Y 最敬礼
Z B-29に乗る
跋 草壁焔太
あとがき
ドーナツの穴に
興味津々
その穴を
残して
食べてみる
一人になりたい
一人になれば
誰かに
会いたい
人間ってやつは
娘二人は
独と米
息子は日本
各自選んだ生きる場所
私にも悔いなし
B‐29 は
ビタミン剤でも
地下29階でも
鉛筆の芯の濃さでも
ありません
葬送の曲まで
何もかも
自分で段取りして逝った
君の生きざまが
生き続ける
車イスを押す
今日までどんな日も
背中を押し続けてくれた
妻の後ろ姿が
近くて小さい