2020年12月新刊 『宇宙人観察日記』
【書誌情報】
【そらまめ文庫 や1-1】 書 名:『宇宙人観察日記』 著 者: 山崎 光 新書判・並製・ 144頁 定価880円(本体800円+税10%) ISBN978-4-88208-180-7 発行日:2020年12月1日 |
◆◇内容紹介◇◆
中学時代に五行歌に出会い、読売新聞さいたま版「よみうり五行歌」にて入賞多数の実力を持つ、五行歌界の若きホープ。
子どもから大人への階段の途中、立ち止まり、迷い、考え、もがく。
大学生の今、ハッシュタグ宇宙人となった彼の五行歌に刮目あれ!
クジラが
ブラントンを
吸うように
人を馬鹿にして
生きている
私は、彼の本音がこれであってほしいと内心思う。彼のように内省が人一倍強い人が、こう言ったなら、私は人も世間も理解できる。たぶんそうだろうが、内省心の権化のような彼は、めったにそうはいわないのだ。
こうして、私はもっとも期待する少年が、二十歳を過ぎて、宇宙人になっているのを見た。彼は、私の未来なのである。私の思う未来人である。だが、いや、だからこそどこかに隠れている。
(中略)
今から
逆走しても遅いよ
スタートから
後ろに走っている人も
いるのに
彼はまだ人生に入っていないくらいの年齢である。人生は頭で思うこととは反対のことを知らされて展開されていく。頭で知ることができないことを知る上でも、巨人であってほしいな、と、私は私の未来を夢みる。
(草壁焔太五行歌の会主宰・跋文より)
◆◇著者プロフィール◇◆
山崎 光(やまざき・ひかる)
1999年、埼玉県生まれ
2015年、読売新聞さいたま版「よみうり五行歌」2014年度年間賞受賞
同年、五行歌の会入会
現在(2020年)、早稲田大学文学部在学中
五行歌の会同人、小江戸五行歌会代表
◆◇目次◇◆
1 半分になった公園
2 サクラサク
3 冷え固まった鉄
4 生きぞこない
5 むしょく
6 食べ散らかし
7 暗くなったら
8 愛・人間博
9 みんな主人公
10 何者にもなれないよ
跋 私の夢みるうたびとへ 草壁焔太
あとがき
◆◇収録歌 紹介◇◆
ヒトの眼は
静止するものを見れない
私も
平凡な日常を
幸せと見れない
さすがに
奴隷よりは
ましだと思い込んで
生きてきた
現代の奴隷
拷問は
あらたなる
拷問に
よってしか
終わらない
子供であったことを
うらやましく思い
そのうち
人間であったことも
なつかしく思う
また君と見れた
桜
愛の合格通知
みたいだ
サクラサク
光速で
地球を狙う
宇宙人も
擬態するのなら
私も