新刊ピックアップ!

本のご紹介

2016年3月の新刊!

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書 名 ◇ 『ほんとうのこと は』

著 者 ◇ 永田和美

四六判・並製・228頁
定価1,320円(本体1,200円+税10%)
発行日 2016年3月5日
ISBN ISBN978-4-88208-141-8


◆◇著者プロフィール◇◆

永田和美(ながた なごみ)

1950年 埼玉県生まれ
1969年 埼玉県立春日部女子高等学校卒業
1985年 読み聞かせの会「大宮おはなし箱」入会
     語りのボランティアとして活動、2008年退会
1995年 日本カウンセリングアカデミー卒業26回生
2002年 五行歌の会入会
埼玉県さいたま市在住





◆◇ 静かに始まり静かに終わる豊かなドラマ ◇◆

 私は彼女は、其田英一さんや佐々木祈美さんのようなうたびとに近いと思い 、数をしぼってよい歌をと思っていた。この歌集は百八十首と歌数は絞られて おり、そのほとんどがいい。
表面が静かで、含むものは大きく、気がつかぬまま大きくゆれ動き、読後は ふたたび余韻の静けさに還る、というのは、この三人のうたに共通するものか と思う。

 燕が
 飛び立つ
 愛されて育ったのだ
 強く
 羽ばたけ

 ずっと咲かなかった
 ブーゲンビリアが咲いた
 花になれなかった
 小さな児の
 顔を思う

 ほとんど任意に選んだ歌である。どれをとってもいいという気持ちからだ。
どれも表は静かで特別の感動を含んでいるが、どうだと迫るようなところがな い。静けさから始まって静けさで終わるのに、こころをかすかにしかし大きく 揺り動かしていく。
 何回か彼女の歌を通して見て、あらたに感じたのは、どの歌にも豊かなドラ マがあるということだった。燕もブーゲンビリアも臘梅もこころも、あふれる ように具体的で奥行きが深い。
 そういえば、最初に彼女のうたに注目したのは、なぜ目立たない言葉で静か に書かれているのに、こんなに豊かさと奥行きがあるのかと思い始めてからだ った。
 それが彼女の思い、つまり感性と知性の交わる内面の特徴である。歌を醸り だす内面の静かな竈に個性があるのだ。

(五行歌の会主宰 草壁焔太 跋文より)

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