新刊ピックアップ!

本のご紹介

2019年5月新刊 草壁焔太著『額田王は生きていた』

カバー画像
書 名 ◇ 『額田王は生きていた』
著 者 ◇ 草壁焔太

四六判・上製
定価1,650円(本体1,500円+税10%)
発行日:2019年05月30日
ISBN978-4-88208-163-0

カバー画:鶴田一郎
題  字:西垣一川

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◆◇著者プロフィール◇◆

草壁焔太(くさかべ・えんた)

1938年旧満州大連市生まれ。
1957年(19歳)五行歌創始。
東京大学文学部西洋哲学科卒。
1994年五行歌の会創立。同人誌『五行歌』創刊。
五行歌の会主宰。
著書は、詩集や「石川啄木─天才の自己形成」など文学評論、翻訳など多数。
五行歌集は『穴のあいた麦わら帽子』『心の果て』『川の音がかすかにする』『海山』
五行歌論書は『飛鳥の断崖−五行歌の発見』『もの思いの論─五行歌を形作ったもの』『五行歌−誰の心にも名作がある』など。


◆◇ 額田王作品16首を発見!!◇◆

『万葉集』関連で、「令和」最初の新刊本!

五行歌創始者の草壁焔太氏が、五行歌の目で日本の古典を見た結果、万葉集が出来てきた経過が明らかになった。
原万葉集・近江朝の謎を解く、歴史、万葉集ファンにおくる新発見!
万葉集は、天智天皇が額田王に命令して始まった!
天武天皇の嫉妬にかくされた天智天皇の文化政策が復元される。

新発見の作品で
歴史が
変わる


万葉集巻第十三の作者不詳の歌に額田王作品15首が隠れていたのだ!(もう1首は巻第十二巻)
五行歌二十五年記念出版。

〇万葉集巻13は額田ファミリー中心の巻だった
〇額田と天智の恋が日本文化の起点だった
〇吹黄刀自は額田・鏡王女姉妹の母だった
〇母・吹黄のパワフルな作品4首も新発見!
〇最後の絶対君主、天智天皇の顔が見えてくる

読売新聞(5月22日)、朝日(5月22日)、毎日(5月27日)、日経(5月下旬)広告掲載予定!



◆◇ 内容紹介(はじめにから)◇◆

私は最近、万葉集の中に隠れていた額田王(ぬかたのおおきみ)の作品を十六首見つけた。私が見ると、どこから見ても額田王の作品である。
もしそうだとすると、額田王の作品は、フレーズ数から見て一気に三倍強に増えたことになるが、そればかりではない。新しい作品から見ると、額田王は女性として強いばかりか、人間としてもスケールの大きな人物だったことがわかる。 そのうえ、その激しい恋の相手、天智天皇の性格も、その恋のようすもはっきり見えてくる。
すると、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)が蘇我入鹿を暗殺してから、近江朝が滅ぶまでの謎の二十数年もはっきりしてくる。ただ、作品が増えただけではないのである。そのうえ、調べを進めていくと、吹黄刀自(ふきのとじ)が鏡王女と額田王の母親だったこともわかり、吹黄の若かりし日の大胆でエネルギッシュな歌も四首ほど見えてきた。
 あまりの重大事であるため、私は誰かがすでに指摘していないか、また絶対にそうではないと言えるような反証がないかを調べるため、相当時間もかけた。
 先に指摘した人もなく、明らかな反証となるような文献もない。むしろ、万葉学も日本の歴史学も、この指摘を待っていたのだとしか思えない状況にあることがわかってきた。
躊躇なく、このことを提言するのが私の役割だと思い、本として出版することにした。

 私が「新しい」額田作品であると思う作品のほとんどは、万葉集第十三巻にあった。この巻は、賀茂真淵が、一、二巻とともに古い巻としてから、ほとんどの学者もこれに従っているが、大勢を言えば、「民謡」あるいは「宮廷歌謡」を集めたものとしている。この巻の第一の特徴は、長歌を集めた巻であることであり、短歌も含まれるがそれらは、長歌につけられた反歌である。反歌の中に旋頭歌(せどうか)も一つある。
「古い」というのは、古い時期に作られた作品を含んでいるという意味で、この巻には万葉の歌が完全に五七化しない時期のものをかなりふくんでいる。

(中略)

 額田の歌がわかって、天智の顔がわかり、彼らの交わした言葉もわかってきた。すると、この天皇の狙いがわかってきた。しだいに、謎だった期間のすべてが見えてきたような気がしてきた。
 思った以上に、額田王と中大兄皇子の恋は、大きな意味を持っていた。  それは、文化国家建設のための、この二人の賭けのようなものであり、気負ったものであり、永遠に自分たちのことを記録しようというものであった。
 二人の意志は強かった。それは、中臣鎌足と中大兄の共通の意志が強かったのと同じであった。中大兄は額田王と鎌足の二人と一心同体といっていいような関係を作っている。私はこの時代を、文芸が決断した時代であると思い、それが万葉集を作り上げる中心のエネルギーとなったと思う。
 このことがわかって、私は日本の歴史に納得した。
 宗教と学問を志した聖徳太子を受けて、近江朝を作った天智と額田が文芸と学問を志したことを嬉しく思う。
(はじめにより抜粋)


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