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本のご紹介

2019年11月新刊 岡田道程『星月夜 哲学する五行歌』


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【書誌情報】

書 名:『星月夜−哲学する五行歌』

著 者: 岡田道程
四六判・並製・192頁
定価1,100円(本体1,000+税10%)
ISBN978-4-88208-167-8
発行日:2019年12月10日



◆◇哲学する五行歌◇◆

 岡田氏のほうが西洋哲学の教授として生きたから、西洋哲学の森に彷徨った期間もその奥への細道も徹底しているが、あらゆるものについて細部を感性によってとらえ、それに思考も重ね、その一つ一つの歌を構成することによって、自分の哲学としようとするところが、日本の歌を徹底しようとした私の方向と同じである。
                     (五行歌の会主宰・草壁焔太跋文より)






◆◇著者プロフィール◇◆
岡田道程(おかだ・みちのり)
1952年 福岡市生まれ
埼玉大学教養学部卒 筑波大学大学院博士課程哲学・思想研究科
哲学専攻単位取得 専門は、哲学 倫理学
共栄大学国際経営学部教授 共栄大学副学長を経て、現在
共栄大学名誉教授

2014年 五行歌の会同人
現在、やよい五行歌会代表


◆◇目次◇◆

自然 睦月(一月) 植物図鑑
   如月(二月) 動物誌
   弥生(三月) 天地人

人間 卯月(四月) 恋愛と女性
   皐月(五月) ユーモアと孫
   水無月(六月)社会と生活

文化 文月(七月) 文学・芸術
   葉月(八月) 日本文化と異文化
   長月(九月) 人間の歴史

生と死 神無月(十月) 戦争か平和か
    霜月(十一月) 自然と生命
    師走(十二月) 自画像

跋 草壁焔太
あとがき

◆◇著者より◇◆

本書は、2015年1月〜2018年12月までの4年間に発表したり、書き溜めたりした五行歌の中から、264首を撰んで、1冊に纏めた。
全体が自然、人間、文化、生と死という四つ大きなテーマに分かれている。さらに、それぞれのテーマの下に、三つのサブテーマが設けられており、全体で十二のサブテーマが、十二ヶ月、春夏秋冬の一年の季節を巡るようになっている。
一年は、一月(睦月)に始まり、十二月(師走)に終わる。そして十二月が終わればまた一月が始まり、冬が終われば再び春が廻って来るように、十二ヶ月は、自然の循環を表している。生と死の対立を超えて、生命と自然の循環、いのちの再生が、この歌集のコアの部分をなしていると言えるかも知れない。(著者 あとがきより)




◆◇収録歌 紹介◇◆

「生きがいいですねぇ」
「ピチピチ跳ねてる」
息が苦しいからです
「身が新鮮だねぇ」
絞めたばかりですから


「私は生きていていいの」
愛情を受けなかった子が
一生抱える
深い闇のような
自問



ホタルは
孵化する前から
光り始めるという
発光を めるのは
産卵後 死ぬとき


蟋蟀を逃がす
手の中の
蠢き
い・の・ち が
躍動している



紫陽花も
がく紫陽花も
花を装った萼
アントシアニンは
変幻自在な色の魔術師


節くれ立った
おうなの指に似て
無数の根が
樹齢 幾百年の
古木を守る



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