2021年4月新刊 『奏』
【書誌情報】
[そらまめ文庫 こ1-3」 書名:五行歌集 『奏』 著者: 高原郁子(こうげんかぐわし) 新書判・並製・102頁 定価880円(本体800円+税10%) ISBN978-4-88208-185-2 発行日:2021年4月22日 |
◆◇高原郁子第3五行歌集◇◆
うたはつくるのではなく叫ぶもの。 創作があふれる作者の第3歌集
『雅』(2017年・市井社)『紬』(2018年・市井社)につづく第3五行歌集。
これらは、自然体で書いたからこそ、自然で完璧で過不足がないというものになっている。本来、詩歌は彼女のように、作らないで「叫ぶ」ものかもしれない。出てくるものが詩なのであって、作ったものは詩ではないというのが、彼女の考えで、確かにこれらの歌は、それ以外の方法では出てこないような気がする。
私は、こういう人のために、「五行歌」という自然体の詩型を作ったのかもしれない。
(草壁焔太五行歌の会主宰・跋文より)
いつも自然と歌があふれる旺盛な創作意欲をもつ、高原氏。自然なことばで真理をふいにつかれ、どきっとする。
香川生まれの持ち前の熱量と、潔さ。
閻魔様やお釈迦様にも負けないユーモアも。
正直で胸のすく一冊。
◆◇著者プロフィール◇◆
高原 郁子(こうげん かぐわし)
1971年4月22日生まれ
香川県三豊市出身
四国学院大学文学部人文学科卒業
特技、陸上・硬式テニス
著書は、五行歌集『雅-Miyabi-』『紬-Tsumugi-』(市井社)
絵本『ひいおばあちゃんのビー玉』(文芸社)
◆◇収録歌 紹介◇◆
未だ来ない
と書く
未来に
いつも
わくわくする
ほんとうに
よいことばは
たぶん
どこぞでだれぞが
すでにつことる
ふるさとは
ゆっくり
時間が流れ
私の「とき」を
止める
温泉で
幼子達が泳ぐ
お尻だけが
あちこち
移動している
「品格、品格って
うるさいなあ」
高原さんは
横綱でないきん
分からんのじゃわ
幾度となく
打ち上がる
花火の様に
言の葉が
打ち上がる