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本のご紹介

2021年4月新刊 『春が来たよ』

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【書誌情報】

書 名:五行歌集
『春が来たよ』

著 者: 萌子(もえこ)
四六判・並製・260頁
定価1,320円
(本体1,200円+税10%)
ISBN978-4-88208-184-5
発行日:2021年4月5日
カバーイラスト:福 あゆ美



◆◇萌子第2五行歌集◇◆
叡智の人の渾身の決意! 石巻在住の作者が描くその後。



 第一歌集『海と生きる』(2011年・市井社) は、大変好評な歌集で、珍しくも再版したほどであった。この第二歌集は、彼女が母を失い、仕事を与えた義父を失うという喪失の後の歌集である。そして、母を苦しめた難病が、彼女をも苦しめるようになった。また義父の後を継いで、事業の経営も続けた。
 私は、これから始まる難病との戦いが、歌集を出版する契機となったのではないかと思っていた。   叡智の人、理性の人である彼女にとって、体の動きが十分でなくなる病は、重大事である。自分の理性や体がまだ働いている間に、自分自身を刻み込む歌集を作りたかったのではないか。
 私は叡智の人の渾身の決意を感じた。それでこそ、萌子さんであろう。


(草壁焔太五行歌の会主宰・跋文より)




◆◇著者プロフィール◇◆

萌子(もえこ)
1956年 長野県小諸市に生まれる。
雄大な浅間山の麓の町で、山に見守られて生きて来た。
小諸高校を卒業後は、病院勤務。

高校時代に知り合った夫と8年の遠距離交際を経て、結婚。
牡鹿半島の江島で、新婚時代を過ごし、夫の転勤で石巻市に来て、36年になる。
2003年 五行歌の会に入会。 現在は、義父から預かった会社の代表取締役を勤めている。

◆◇目次◇◆

春が来たよ
命の源だ
愛された記憶
迷子のよう
希望の音
真一文字の翼
薫風に抱かれて
母から貰ったもの
そのためだけの青
叡智の瞳
ドキッとするほど
揺るぎのない眼差し
萌子亭
歌集「海と生きる」
綴りごと エッセイ
 藤村先生に感謝
 お盆
 つなぐ
 8月1日に生まれて
 とっておきの話
 ジャガイモ
 ブルー・ベルという花
 サンタの落とし物
 猫のマイケル
 太陽山青空寺
 新米の季節
 原点は宝の島
跋  草壁焔太
あとがき



◆◇収録歌 紹介◇◆

母校の
校歌で知った
叡智の瞳
私の目指すものは
いつもそこにある


この世で
一番清しい匂いは
剥いたばかりの牡蠣
ぜんぶ
海になる



イヌワシの親鳥が
子に飛び方を
教えている
今日の空は
そのためだけの青


よほど
恐ろしい思いをしたのだろう
初めてみる
夫の
虚ろな瞳


凍てつく日 空の青は
雪の上に
散歩中の
犬の影さえ
青く刻む



沸き立つような原動力に
たじろぐ時もある
腹底にマグマを
隠し持つ私は
紛れもない 浅間の子だ



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