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本のご紹介

2025年02月新刊 『うふっ』

◆◇自然と人の共感 京峰裕子五行歌集◇◆


カバー画像
書 名:『うふっ』
著 者: 京峰裕子
新書判・並製・100頁
定価880円(本体800円+税10%)
発行日:2025年2月25日
ISBN978-4-88208-219-4

◆◇跋文より◇◆

 外は豪雨
 マンションの入り口に
 「雨宿りしてます」
 を全身で訴えて
 小鳥が一羽佇む

 自然が人間に語りかける。これが彼女の作品の特徴だろうか。自然に向かう温かな気持ちに対して、自然が同じように温かに応えている、そう思われる。
 彼女は長い間、よみうり埼玉五行歌の欄の投稿者だった。
 私は毎週のように彼女の歌を見てきた。
 いつもこの世が懐かしくなるような、印象的な歌が送られて来た。
(中略)
 京峰さん、多くの懐かしい光景を、自然と人の共感を、すばらしい作品にしてくれて、ありがとう。

(五行歌の会主宰草壁焔太・跋文より抜粋)




◆◇著者プロフィール◇◆

京峰裕子(きょうみね・ひろこ)
1948 埼玉県生まれ
1973 YMCA英語学校 卒業
2002 アークアカデミー日本語教師養成科 修了
2002 大宮五行歌会 入会
さいたま市岩槻区在住


◆◇目次◇◆

1 凛凛といく  動物・植物のうた
2 おはようのハグ  夫婦のうた
3 九人目の童  母のうた
4 ホッカホカの言葉  孫のうた
5 「ラッキー」
 跋 草壁焔太
 あとがき




ショキショキと
鎌を研ぐ肩に
赤とんぼ
農夫と一緒に
揺れている


茎を焼かれて
生き返った花が
咲いて 咲いて
さきつづける
命を絞り切るように


白梅の
苔むす太い幹
うねり うねり
天をめざす
竜となる


「愛してるよ」と言ったら
ちょっと間があって
「愛してるよ」と返してきた夫
四十年ぶりの言葉
病床から


貧乏を
貧乏ごっこに
変えて
楽しんでいた母
凄すぎる


心根こころねが澄めば
最期
人前に晒される
骸も
清清しいだろうか



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