2021年7月新刊 『詩的空間─果てなき思いの源泉』
![]() |
【書誌情報】
[そらまめ文庫 な1-1] 書名:五行歌集『詩的空間─果てなき思いの源泉』 著者:中澤京華 新書判・並製・142頁 定価880円(本体800円+税10%) ISBN978-4-88208-187-6 発行日:2021年7月1日 装画:中澤美穂 |
◆◇中澤京華五行歌集◇◆
中澤さんの歌は、言葉を丁寧に選りすぐって作られており、私は押印するように読むことにしている。この歌は、彼女の詩歌への思いをよく表しているとも思う。
彼女はほかの五行歌人の歌とは、ちょっと違ったところがある。人生の真実をおおかた吐露し、そうしながら歌としていくのが、五行歌ではふつうだが、彼女の場合、そうできないような事情がいくつか重なった。それを中心線にすると、詩的空間が崩れてしまうようなところがあったのだろうか。
顔に傷を負ったとか、複雑な家庭の事情、その他、彼女はそれを隠すつもりはなく、そのために、今回の歌集で何があったかを、歌や文章で書いている。
しかし、それは、彼女が少女の頃から憧れた詩歌の姿とは異なるのである。
ときめく恋の思い出のように書かれたこれらの歌が、彼女の希望する詩歌を想像させてくれる。彼女が表したかったのは、こういう詩的空間だったのだ。
◆◇著者プロフィール◇◆
中澤 京華(なかざわ・きょうか)
1966年新潟県新発田市生まれ
明治薬科大学卒
五行歌の会同人
日本国際詩人協会会員
2017年、アゼルバイジャン詩人アファク・シヘリとの共著『Duet of Sakura 桜の二重奏』出版
◆◇目 次◇◆
一 星明かり
二 緑の万華鏡
三 道しるべ
四 心の洞窟
五 ラビリンス
六 桜並木
七 記憶の空
八 ゆりかご
九 幾重ものスケッチ
十 果てなき思いの源泉
跋文 草壁焔太
あとがき
◆◇収録歌 紹介◇◆
山奥に
ほのかに見える
あの橋を
渡ろうと
君の声
白鳥の姿に
思い起こされる
至福の時
きらきらと
輝く水辺
詩的空間を
歩くと
心に戻ってくる
憧れの世界
果てなき思いの源泉
涙が溢れてくる
根源的な理由を
突き詰めていくと
自分の真意に
ぶちあたる
見えない心
伝える
見える文字だから
丁寧に
綴ろう
親友との約束の地
イギリス
手を繋いで走った
シェークスピアの出生地
Stratford-upon-Avon