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本のご紹介

2021年9月新刊 『コケコッコーの妻』

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【書誌情報】

[そらまめ文庫 く2-1]
書名:五行歌集『コケコッコーの妻』
著者:桑本明枝
新書判・並製・194頁
定価880円(本体800円+税10%)
ISBN978-4-88208-189-0
発行日:2021年9月5日

カバーイラスト:梅田洋一

◆◇桑本明枝五行歌集◇◆
奔放な才能の世界



 この人は、そうやると決めたら、どんな作り方もできる人だなと思った。奔放に作っている歌は、ぜんぶ言葉が生きていて、違った呼吸で成る。だが、何が真実かというと、奔放な才能の世界だけでは物足りないであろう。後半、彼女のほんとうの重いところも、そのままに歌われている。どんなに重かっただろう。
(中略)
 障害児(者)の母は、みんなすごい人だという歌もあった。その一連の歌に、私は読んでよかったと思った。桑本さんがいるから、わかったことだ。十分ではないにせよ、私には荷物一つなかったとさえ思える。
 彼女の才能、心の明るさは、だからこそ、素晴らしいものだ。
 世の人みなに、この全体を読み、深く考えてもらいたい歌集である。

(草壁焔太五行歌の会主宰・跋文より)




◆◇著者プロフィール◇◆

桑本明枝(くわもと・あきえ)
本名 豊明枝(とよたか・あきえ)
1958年大阪府生まれ。
障害者福祉施設非常勤職員。翻訳者、市民ライター
五行歌の会同人。ひらかた五行歌会代表
著書に、『五行歌自選小歌集 緑の星』(とれぶ出版部)他
訳書に、『インクルーシブ教育の輝ける実例〜可能性のスナップショット〜』(放課後クラブ「チャレンジ・キッズ」 無料電子書籍)他 




◆◇目 次◇◆

虹色のさかな
ウ タ
胸の奥の怖れ
自閉症の息子
泣くな
カオナシのつれ
コケコッコーの妻
オペラな日々
牡の子二人
一本の矢
スティグマ
四季のあじわい
障害児の母
買いたい時間
ないんです
妄想劇場
家 族
時事雑感
大阪のご近所さん
勝手に言いたまえ
死んだらあかん
息子、自閉症、二十五歳
跋文  草壁焔太
あとがき



◆◇収録歌 紹介◇◆

障害の子を
学校に送り
雨上がりの帰りみち
うたごころ
胸いっぱいに広がる


あぁ 私
ほんまの言葉に
たどりついたんやなあ
飾りない素直な自分の言葉で
毎日 生きるの楽しい



ええやん それで
と こころが言う
こころが そう
言うんやから
ええかぁ これで


「あきえちゃん?」
名前で呼ぶなんて
この野郎 出世したな
三十五年前の
マドンナに向かって



この界隈
頭を上げて歩けませんね
と ばあちゃんと笑う
いたずら迷惑行為激しい息子
周囲に見守られてきた


どんなことでも
いいことに変えていって
やろうじゃないか
笑って通る
障害児の母のど根性


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