介護の現場で好評発売中!
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書 名 ◇ 『俺はこわれちゃったんだよ』
−五行歌と文章で綴る在宅介護日記− 著 者 ◇ 河田日出子 四六判・並製・276頁 定価1,320円(本体1,200円+税10%) 発行日 2013年4月28日 ISBN ISBN978-4-88208-122-7 |
◆◇ 発病から8年間在宅介護で看取った妻の全記録! ◇◆
真実そのままを書くことが、魂を引き上げる。この本を読んで強くそのことを感じた。
河田日出子さんの歌と文章は、介護という人間性のきわみを描く最も美しく、悲しく、嬉しい旋律、人間の気韻と真実を奏でてくれている。
介護する人、される人の、生活も体も匂いも心も、すべてが伝わる。これこそ、伝えるということだろう。(五行歌の会主宰 草壁焔太 帯文より)
八年の介護を通じて私が声を大にして申しあげたいことは、病人は何もわからない
のではないということです。私も何もわからなくなったと時々思いました。何もわからなくなる、というのは世間の俗説です。
夫は「俺はこわれちゃったんだよ」「俺はバカになっちゃったんだよ」と時々言いました。自覚がちゃんとあるのです。
これを出版するに当たって当時の記録を読みかえしてみますと、夫は最後の日までこんなによくわかっていたのだと思わされました。
人間の尊厳をきちんと持ち続けて逝ったのです。
病人であっても人間として同等の眸で向き合うことがいかに大切であるかを思い知らされた介護でした。
病人としてではなく、きちんと人間扱いしてくれるヘルパーさんに対しては、相応の態度も見せた夫です。
八年間を克明に順を追って書き綴ったつもりです。アルツハイマーというものが、こういうふうに進行してゆくのだと判って頂けましたら幸いです。
(著者まえがきより)