2021年5月新刊 『風滴』
【書誌情報】
[そらまめ文庫 い2-1] 書名:五行歌集 『風滴』 (ふうてき) 著者: 唯沢 遥 新書判・並製・102頁 定価880円(本体800円+税10%) ISBN978-4-88208-186-9 発行日:2021年5月25日 |
◆◇唯沢遥五行歌集◇◆
それでも生きていく。死ぬまで生きる。
彼女は、多くの五行歌人もそうだが、五行歌を書くことによって生きる力としてきた人なのであろう。
彼女の強さ、潔さは、たんなる自然詠と思える歌にかえって、鋭く現れているようにも思う。私はこの歌集の冒頭と末尾の自然詠が好きである。
(草壁焔太五行歌の会主宰・跋文より)
◆◇著者プロフィール◇◆
唯沢 遥(いざわ・はるか)
埼玉県在住。1966年1月生まれ。
日本児童教育専門学校児童文学専攻科卒。
現五行歌の会同人。
2013年に詩歌集「心の宝石」を自費出版し、本書が2冊目の本となる。
◆◇目 次◇◆
1 四季を追いかけて
2 それでも生きていく
3 さよならを辿って
4 風 滴
5 自然の息吹に
跋文
あとがき
◆◇収録歌 紹介◇◆
迷いも
苦しみも
あるがままに
それは自分を
磨いてくれるものだから
望む心が
力
深呼吸して
胸にも腹にも全てに
気を溜め込むんだ
風に力をもらう
心の元気をもらう
風は私の勇気
その滴が
歌になる
地平線のような
藤棚
紫の房は
夕闇の
雨垂れのよう
風にさらわれて
花吹雪
花筏
散り際の潔さに
白が深い
空気が金色
風が金色
黄金の夕陽に
金木犀が
金の香りをちりばめる