◆◇著者プロフィール◇◆

◆◇上映禁止にしたものを堂々と上映 ◇◆

　太陽にも別れを告げ、自分も妖怪の群れに追い入れ、行き場がない。社会も 何も面白くない。まちがいばかり。読んでいくうちに、そこまでいうんだ、な ら途中で甘くなるなよと、作者を励ましたくなったほどだ。
　まあ、信じられる物がなく、悪態の突き放題。最後はどうなるんだよ！　と 前の歌集の跋にも書いたが、それにしては上映禁止にしたものを堂々と上映し ているなとも思う。それも休憩なし連続上映である。
　私は右のような批評心で彼の歌を見ているが、歌会で最も多く草壁賞を与え ているのは彼の歌に対してで、貰ってもらった色紙も二十枚は下らない。歌は 、文句なく面白くよく考えられている。
　それと、もう一つ、まったくそう見せないが、彼は最も純情なところがある に違いないとも思う。五行歌への熱心は非の打ち所なく、私の講演を最も真剣 に聞いているのも彼だろうと思う。
　しかし、なかなかそうとは言わないだろう。そう言い出したときは、ひたす ら前向きにならなくてはならない。太陽系を変えるほどの決意で。
　蛇夢という筆名もこの歌集で終わるという。いったいどうなって行くのか、 楽しみである。
　−　五行歌の会主宰　草壁焔太　跋文より