鬼ゆり五行歌集『だいすき』
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【そらまめ文庫 お1-1】
書 名◇五行歌集『だいすき』 著 者◇鬼ゆり 新書判・並製・128頁 定価880円(本体800円+税10%) 発行日:2018年11月23日 ISBN978-4-88208-159-3 |
◆◇著者プロフィール◇◆
鬼ゆり(おにゆり)
1946年生(群馬県高崎市)
2016年より五行歌の会会員
2017年7月より上毛(かみつげ)五行歌会会員
◆◇跋 より◇◆
「夫」の章で、結婚八年でご主人を亡くされ、二人の娘を育ててきた人と知る。この歌集には書かれていないが、彼女は働きながら子育てもしたのであろう。持ち前の明るさで、その苦労話は「母の私は 強くなった」という一首に込められているようである。
ほとんどが、家族に対する自分の気持ちを伝える歌である。
その気持ちのすべてが、「だいすき」なのだ。みごとな生き方だと思った。
うたびとにもいろいろな役割がある。うたびとは、それぞれの役割を果たす。鬼ゆりさんの役割はまわりの人を愛し、人の心を明るくする役割であろう。
夫、父、母、祖父母、娘、家族、孫編と、彼女は自分のまわりの家族たちに、「灯り」をともすように歌を書く。人がだいすきで、人も彼女をだいすきなのである。
五行歌のおかげでこういう人を知ったことがうれしい。
鬼ゆりさん、いつまでも、まわりに灯をともし、「だいすき」を伝えて行ってほしい。
(五行歌の会主宰 草壁焔太)
三回も断っての
見合結婚
縁があったのか
無かったのか
たった8年の縁
墓を買った
墓石に
「だいすき」
がいいと孫
「だいすき」と刻んだ
あなたの娘で
良かったと母に
娘も
あなたの娘で
良かったと私に
孫二人が
「私のママよ」と
娘の前と後に
しがみつく
「私の娘よ」と私
ママを生んでくれて
ありがとう
と
孫から
言葉のプレゼント
人並みの体験より
人並み外れた体験は
何より強い
母の私は
強くなった