2026年2月新刊『「お母さん」の文字』
◆◇自分で自分を創る人 棗 邦五行歌集◇◆
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そらまめ文庫【な4-1】
書 名: 『「お母さん」の文字』 著 者: 棗 邦 新書判・並製・124頁 定価880円(本体800円+税10%) 発行日:2026年2月14日 ISBN978-4-88208-229-3 カバー写真:加藤久幸「サラシナショウマ」 |
◆◇著者プロフィール◇◆
棗 邦(なつめ くに)
昭和23年02月 大分県に生まれる
昭和41年03月 大分県立大分女子高校(現・大分西高校)卒業
昭和56年10月 薬種商試験合格
義父の薬店を継ぎ
現在に至る
平成元年9月 慶應義塾大学文学部 通信教育課程卒業
平成13年6月 五行歌の会入会
現在、五行歌の会同人。
◆◇目次◇◆
一 時間泥棒がいなかった
二 熊本地震
三 自分の胸ひとつ
四 「お母さん」の文字
五 あの日逃げた紅雀
六 季節感いっぱい
七 笑顔の友が現れる
八 子猿の毛がふわふわっ
九 自分の店
十 青い小さなチャボリンドウ
十一 風も抜ける
跋 草壁焔太
あとがき
◆◇跋文より◇◆
人として
徳をつめるか
誰も
見ていなくても
徳は死語ではない
私たちは、なんのために生きているのか。つきつめてもの思えば、徳、であろう。あたりまえだが、真面目にこう言い切ることをためらう気持ちもある。だが、自分自身を真剣に思えば、私たちは徳を積まなくては恥ずかしい。
多くのものを与えられ、長く生きさせてもらっている。堕落はできないであろう。と、すれば、私たちが自分に求めるべきものは?
これは、その答えである。ああ、そうだったな、しかし、日常、私たちはこの目的を忘れてはいないか。私自身、思わず自分自身を振り返った。
◆◇あとがき◇◆
詩歌には力があります。人の心を支える力が。
五行歌は、五行という短詩型でもの思いが表現されていて、時に共感、時に驚き、時に美の世界に浸り憧れすら覚えます。もちろん書くこともできます。目の前のきれいに咲く花を描写するのは楽しいし、悩みを吐露すれば気持ちが浄化されることでしょう。内面を表現するのはデリケートな問題で、そこにはおのずと個性がでてきます。
「生きている」に対し「生かされている」という言葉があります。年齢を重ねるとわかってくる境地です。心を捉えて離さない五行歌は、胸の奥にしまい折にふれて取り出し楽しんでいます。
時間泥棒がいなかった
透き通った水
辺りに下向きの花
訪れる人もぽつりぽつり
開発前の男池には
自由に
ものを考えて
私の中の
孤独を
鍛える
地震で倒れた本棚に
本を並べる
こうして
私たちふたりは
立ちあがる
地震で崩れた
石垣の石に
夥しい番号
はるか先を見つめる
職人の技
お嫁さんからのメールに
「お母さん」の文字
こそばゆいが
嬉しい言葉
初節句も終わった
体調を良くするのは
お医者さんや
薬屋ではないんですよ
自分ですよ
が私の口癖
