2025年05月新刊『梅は丸く咲いてくる』
◆◇待望の草壁焔太五行歌集◇◆
書 名: 草壁焔太最終?五行歌集
『梅は丸く咲いてくる』 著 者: 草壁焔太 新書判・並製・202頁 定価2,970円(本体2,700円+税10%) 発行日:2025年5月15日 ISBN978-4-88208-222-4 装画 ヴォアザン 見返しに著者の揮毫入り |
◆◇著者プロフィール◇◆
草壁焔太(くさかべ・えんた)(焔は、つくりの下が臼:旧字)
昭和13年3月13日生まれ
東京都文京区在住
五行歌の会 主宰
19 歳の頃、五行歌を発想、
49 歳で「五行歌」と命名。
1994 年4月、54 歳のとき、
月刊誌「五行歌」創刊、今に至る。
◆◇目次◇◆
T 四国の春
U 拾ってきたようないのち
V 本の背と話す
W ユリノキの花
X 道千年
あとがき
◆◇あとがきより◇◆
私の最終五行歌集になるかもしれない五行歌集である。「?」を付けるのは、もし九十数歳まで長生きして、また歌集をだすと言い出す可能性もあるからだが、このところの脳の能力の衰えから考えると、もう無理だろうというのが本音である。
しかし、案外しぶとい自分を思うと、またやるかもしれない。
こればっかりは、時が過ぎないとわからない、というのが、私の気持ちである。
しかし、今回は最後のつもりで、歌を厳選した。今回くらい厳選したのは、いままでなかったように思う。歌の数は百八十四首、この数もいままでになく少ない。
この歌集は、各冊に私の揮毫を入れる。
(著者)
浅緑と
桜の
見分けがつかないほど
淡い
四国の春
梅の
可愛さは
蕾も
花も
丸いことにある
浅緑の
袴をはいて
落ちてきた椎の実
どこかに落とした
わが子のよう
拾ってきたような
いのち
たまらないような
美しさも
知る
心が浅いと
欲望が
外に出ていきたがる
心を
深くしていよう
死んでも
死なない
お化けになっても
骨になっても
この道を行く