2025年07月新刊『忘れることは神様がくれたプレゼント』
◆◇山野さくら第2五行歌集◇◆
書 名: 『忘れることは神様がくれたプレゼント』
著 者: 山野さくら 新書判・並製・160頁 定価880円(本体800円+税10%) 発行日:2025年7月??日 ISBN978-4-88208-223-1 写真 著者 |
◆◇著者プロフィール◇◆
山野さくら(やまの・さくら)
東京都西東京市生まれ
2011年 五行歌の会入会
2012年 五行歌誌「彩」同人
2017年 多摩モノレール主催「第4回モノレールからことばの贈りもの」に入選
2018年 多摩モノレール主催「第5回モノレールからことばの贈りもの」にて金賞
2020年 五行歌集『横浜の空』(市井社) 出版
千葉県幕張地区在住
◆◇目次◇◆
一 遠い記憶
二 記憶のチャンネル
三 母の手
四 心の欠片
五 二人旅
六 コロナの色
七 冬の桜
跋
あとがき
◆◇跋文より◇◆
一冊全編が、母、お母さん、の歌である。男にはないことだ。女、女性には、理解しがたい何かがある。女性には、人生に対していくつかの視点があり、複雑である。(中略)
母親とは、別次元の人である。献身の塊で、何も報酬を求めない。ただ人を育てることだけを希んで、捧げ尽くす。美しい人間になるのは、当然であろう。
◆◇あとがきより◇◆
十年の間に、母はだんだんにできる事が減っていった。確実に老いていく。でも、その度にできることを考え、取り組んだ。老いることは、挑戦を続けることでもあると知った。
また、人の生き方や生き甲斐について、生きることの意味について嫌でも考えさせられた。薬をつかえば長生きできる。でも、私はそれでよいのか。
晩年を母と一緒に過ごせたことで、私は考え成長できた。その意味で、母は最期まで母であった。
炬燵じゃ
風邪をひくからと
受験勉強に
手作りの綿入れ
ふくら雀と笑う母
転んだ痛みも
理由も解らず
大丈夫と笑う
だんだん
神に近づいていく
「今さっき言ったばかり」
を
繰り返し
母の背に
矢を突き刺している
忘れることは
神様がくれた
プレゼント
心穏やかに
生きる
看取りに入った母を
静かに見守る
人生の
全ての思いを越えた
美しい人に会ったよう
ありがとう
大好きだよ
と言ったら
涙が光った
間に合ったんだね